« 2021年11月 | トップページ | 2022年8月 »

2022年7月

2022年7月30日 (土)

エアコンの除湿について

前回の続きで、エアコンで湿度を下げる方法について。

まずエアコン冷房の仕組みですが、ヒートポンプによって冷やされた熱交換器に室内の空気を通過させることで空気を冷やし、それをファンによって拡散することで室温が下がります。

この時に熱交換器の中で冷やされた空気は、露点温度よりも下がるためエアコン内で結露して空気中の水分が取り除かれます。

冷房運転は室温を下げると同時に除湿も行っているわけですね。

Kl100802_20220730120001

しかし、室内が設定温度まで下がりきるとそれ以上室温を下げる必要がなくなるため、熱交換器が冷えなくなり(サーモオフ)エアコン内で結露が起こらなくなるので湿度も下がらなくなります。

冷房していて室温はちょうどよいのに湿度が高く蒸し暑く感じてしまう時は、このようなエアコン冷房の原理によります。

逆に湿度を下げることを優先すると、室温が下がりすぎて寒くなってしまうこともよくあります。

このことから、快適に湿度を下げるには、室温が下がりすぎない程度に熱交換器が冷え続ける状態にできればよいことがわかります。

そのためのポイントは
・冷房可能な範囲でできるだけ容量の小さいエアコンで冷房する
・家の中でもっとも暑くなりやすい場所にエアコンを設置する
・少し低めの設定温度(拙宅の場合24~26℃)で風量は最弱で運転する

こうすることでエアコンがサーモオフになりにくくなり、室温は下がりすぎずに湿度を下げることができるようになります。

家の気密・断熱性能や冷房面積に対してエアコンの容量が小さすぎると、単純に能力不足で冷房しきれないこともあるので、家の断熱性能などをしっかり把握した上でエアコンを選定することが重要です。

また、せっかく湿度を下げても外から湿度の高い空気が入ってきていたら意味がないので、家中のすべての窓(トイレやお風呂などの非居室も)を閉じて、24時間換気以外の不要な換気扇も止めて冷房する方がよいです。

以上の方法は、外の温度が室内より高い場合に有効ですが、梅雨時期のように温度はそこまで高くないけど湿度は高くジメジメする時は湿度を下げにくくなります。


そんな時に快適に湿度を下げる方法は・・・次回に続きます。

2022年7月24日 (日)

ブログ再開と湿度

しばらくお休みしていたブログを再開したいと思います。

更新頻度は仕事量(と精神状態)に左右されると思いますが、よろしければお付き合いいただけると幸いです。

・・・

さて、昨年の12月より自分で設計した家に住み始めて半年以上が過ぎましたが、このブログで高性能住宅(UA値0.31、C値0.2)の住み心地についてもレポートしていければと思います。


今回は湿度について。

拙宅の冷房計画は、階段を上がりきった2階のホールにエアコンを1台設置して、この1台のみを24時間連続運転して家中を冷房しています。

Img_6187

エアコンは一番容量の小さい6畳用エアコンです。

家の延べ床面積は吹抜けを入れて35坪程度なので、実に70畳の面積を10分の1以下の容量のエアコンで冷房していることになりますが、各所の温湿度計を見てみると

Img_6259
1階リビング 温度26.9℃ 湿度49%

Img_6257
2階寝室 温度26.0度 湿度49%

Img_6258
2階子供部屋 温度25.9度 湿度48%

Img_6260
1階トイレ 温度26.0 湿度51%

このようにしっかり家中冷房できています。

畳数だけ比べると魔法の様ですが、からくりは簡単で、畳数ではなく家の断熱・気密性能と冷房能力を鑑みてエアコンを選定しているから。

基本的に、家の断熱・気密性能が高ければ高いほどエアコンの容量は小さくすることができます。


今回注目いただきたい湿度は、家中をほぼ均一に50%程度の低湿度に保てているのが上の写真でわかります。

しかしながら、高温多湿となる日本の夏にこの空気を作り出すにはいろいろとテクニックが必要です。

そもそも低湿度にしている理由は、温度よりも湿度を下げた方が快適性が高いから。

温度27℃湿度70%の空気より、温度27℃湿度50%の空気の方がサラッとしているのは感覚的にわかるかと思いますが、このサラッと感がとても快適なのです。

湿度が高いと汗が蒸発しにくくなり体温調整ができないため、熱中症のリスクもあがります。

それに夏に湿度が低ければカビが生えるリスクが大幅に減るため、お風呂掃除など家の手入れが楽になるというメリットもあります。

なので、夏は湿度が快適な住環境をつくる上でとても重要となります。


次回は湿度を下げるテクニックをご紹介できればと思います。

« 2021年11月 | トップページ | 2022年8月 »