基礎を考える
木造住宅の基礎には大きく分けて、ベタ基礎と布基礎があります。
ここでよく出るのが「どっちが強いの?」という疑問です。
ひと昔前(阪神淡路大震災後)からベタ基礎が急速普及して、ハウスメーカーやビルダーのセールストークで「ベタ基礎の方が強い」というイメージが浸透しました。
ベタ基礎の方が底盤全体の「面」で家を支えるので、ベース面だけの「点」で支える布基礎より強いという理屈ですが、これはこれで間違いではありません。
「面」で支えるベタ基礎
「点」で支える布基礎
しかし、これは地盤の強さが全く同じという条件でのみ言えることです。
通常、家を建てるにあたり地盤調査を行い地盤の強さを調べます。
そのうえで、地盤が弱ければ地盤改良工事をするわけですが、改良によって地盤の強さ(地耐力)を具体的にどれくらいにするかを考え、その地耐力に対して基礎を設計すればベタ基礎でも布基礎でもどちらでも全く問題ありません。
具体的に現在構造計算中の物件を例に見てみましょう。
こちらの家は、耐震等級2(積雪1.3m考慮)、基礎形状は布基礎で地耐力は35kN/㎡という前提で構造設計をしています。
なので、地耐力が35kN/㎡以上になるように地盤改良工事を行えばこの基礎は構造上安全となります。
このように、布基礎でも地盤改良とセットで考えることで強い基礎にすることは可能です。
地盤の強さである地耐力を無視して、基礎単体で強いとか弱いということは全く意味のないことなのです。
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