実施設計着々と・・・②
ただいま実施設計中の舟入町の家は、地域型住宅ブランド化事業に則した地域型住宅で、長期優良住宅の認定を取得します。
今年の4月からは長期優良住宅の場合、断熱基準はH11年基準からH25年基準に完全移行となりました。(省エネ住宅ポイント取得はH11年基準でもOK)
今まではH11年基準の型式認定があったため省略していましたが、今回からはそういうわけにいかず、久し振りに外皮の断熱計算を行いました。
H11年基準とH25年基準の大きな違いは、基準となる数値がQ値からUA値に変わったことです。
Q値は外皮の熱損失量を床面積で割ったものだったのが、UA値は外皮表面積で割ったものとなります。
このような変更があった理由は、床面積で割るQ値の場合建物が凸凹していると外皮量が多くなり、同じ床面積でも凸凹が多い方が不利になるなど建物の形状に影響を受けやすいため、より平等な指標としてUA値に変更となったわけです。
新発田市や新潟市におけるUA値の基準は0.87W/(㎡K)以下であれば適合となりますが、この数値はH11年基準と同程度の外皮性能でクリアできる性能となっております。
つまり、計算方法が変わっただけで基準が厳しくなったわけではないのです。
その他にはQ値は換気の熱損失も含みますが、UA値は換気による熱損失は考慮しません。(この部分はより専門的な話なので割愛)
外皮の断熱計算は割る面積が変わっただけなので、やることは旧基準と基本同じです。
断熱部位ごとの壁量や窓面積を積算して外皮の熱損失量を算出し、それを外皮表面積で割る。
さてさて舟入町の家の計算結果ですが
UA値(外皮平均熱貫流率)0.43で適合。基準値である0.87のちょうど半分くらいの数値です。
UA値は、数値が小さいほど断熱性能が高いことを示しますので、こちらのお家は単純計算で基準の外皮性能の2倍の断熱性能があることになります。
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