理想的な暖房空間①
今年も残すところあと1ヶ月ちょっととなり、本格的な冬がやってきました。
もうみなさん暖房機をお使いのことと思いますが、理想的な暖房空間とはどのようなものでしょうか。
今回から何回かに分けて「理想的な暖房空間」とはどのようなものか記事にしていこうと思います。
第1回目の今回は、暖房時の体感温度についてご紹介します。
暖房の効き具合の目安となるのは室温ですが、その室温だけでは快適な暖房空間になっているかどうかはわかりません。
なぜならば、体感温度は室温だけでなく壁・床・天井の表面温度も影響するからです。
体感温度は建築的には作用温度に近似し、壁・床・天井の表面温度は平均放射温度(MRT)で表されます。
そして、作用温度(≒体感温度)は次式によって求められます。
作用温度=(室内気温+MRT)÷2
古いお家で、「開放型ストーブをガンガン焚いて室温が20℃以上あってもちっとも暖かくない・・・」という経験をお持ちの方はけっこう多いかと思います。
これはまさに室温=体感温度ではない証拠で、例えば室温が20℃でも床や壁表面の温度が低く、MRTが10℃であれば
作用温度=(20+10)÷2=15℃
となり、体感温度は15℃ほどしかないからです。
逆に言えば、暖房している部屋の室温は25℃以上が当たり前という場合は、それくらいに室内気温を上げないと暖かいと感じられないというなんともお粗末な話なわけです。
壁や床の表面温度は建物の断熱・気密性能によりますから、それらを無視して暖房機の種類を変えたり、台数を増やすだけでは快適な暖房空間は生み出せません。
大きな熱量で暖房して室内の空気をどんどん暖めても、窓が単板ガラスのアルミサッシであれば表面温度は外気温に近いままですし、断熱材が十分でなく気密性が悪ければ上昇気流によって暖かい空気は上へ上へと逃げて行き、壁や床の表面温度は上がらず快適な暖房空間にはなりません。
理想的な暖房空間は、室内温度と壁・床・天井の表面温度に大きな差がないことが重要で、そのためには暖房と断熱・気密性能は一体に考えなければいけません。
今日の1曲
I Am The Walrus by The Beatles
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