気密が必要な理由
前回の続きで、気密が必要な理由についてです。
高気密・高断熱住宅が普及した昨今、高断熱が必要な理由は誰でも理解できることだと思います。
しかし、高気密が必要な理由を理解している方は少ないのではないでしょうか。
住宅の高気密化が必要な理由は2つあります。
1つ目は隙間風による熱欠損をなくすためです。
せっかく断熱性の高い家にしても、隙間が多いとそこから熱が逃げたり入ったりしてもったいないですよね。
そのために隙間をなくす気密化が必要なのです。これはわかりやすいですね。
2つ目は換気がしっかりできるようにするためです。(これがなかなか説明が難しいのです・・)
平成15年に24時間換気の設置が義務化となり、すべての住宅には24時間換気システムが必要となりました。
これは一戸建て、アパート、マンション問わず必ず設置しなければいけません。
但し例外があり、C値(前回参照)が15c㎡/㎡以上の家には設置しなくてもよいことになっています。
噛み砕いて言うと、断熱材がなく窓もアルミサッシじゃなく木枠の、例えるなら昔のお寺のような家なら、隙間がいっぱいあって隙間風だけで充分な換気ができるので、換気をつけなくてもいいですよということです。
築20年からここ最近までの普通の家は、だいたいC値5~10の間になっている場合が多いといわれています。
ということは、築20年からのほとんどの家は24時間換気を設置しなくてはならないのはもちろんのこと、最近の家はある意味気密住宅になっていると言えます。
「じゃあわざわざ高気密にしなくても普通の気密で換気扇つけたらいいじゃないか?」
「換気扇の穴を開けて換気しなきゃいけないのに、なんで逆に高気密にしなきゃならないの?」
という声が聞こえてきそうですが、家の中の隅々までよどみなく新鮮な空気がいきわたるようにするためには、高気密でなければできません。
ではなぜ高気密にすれば隅々まで空気がいきわたるのでしょうか?
ストローで飲み物を飲むことを想像してみて下さい。
ストローはコップ(給気口)から吸い込んだ飲み物(空気)を目的地の喉(排気口)まできっちり運んでくれます。
しかし、ストローに小さな穴が何個も空いていたら飲むのは大変ですよね。
これを「計画換気」と呼びます。
高気密住宅に対して「息苦しい」とか「空気が循環しなそう」というイメージを持ち、「中気密」が一番いいと思う方が稀にいらっしゃいますが、それは全くの間違いで、中気密が一番換気が出来ません。
確実に換気をしたいなら、低気密か高気密かのどちらかになります。
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