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2014年7月 7日 (月)

珪藻土の調湿性能

今年はあまり雨が降らず空梅雨といった感じですが、この時期のジメジメした湿気対策に珪藻土の壁はどのくらい効果があるのでしょうか?


結論から申し上げると、梅雨の時期の湿度管理に珪藻土の壁はあまり効果は期待できません。

こちらは雨が降っていた7月4日のモデルハウスの温湿度計です。

P1020621
湿度60%

モデルハウスの壁はすべてクロス仕上げです。


こちらは当社で管理しているほぼ全ての壁が珪藻土の塗り壁仕上げの家です。

P1020625


同じ日のこの家の
温湿度計はこちら。

P1020623
湿度はモデルハウスとほぼ同じ60%くらいとなっています。


珪藻土には確かに調湿性能があり、湿度が高い時は吸湿し、湿度が低い時は湿気を吐き出します。

しかし物理的に考えれば当然のことですが、塗り厚2mm程度の珪藻土の壁が吸湿する量には限界があり、ある程度湿気を吸うと飽和状態となります。

こちらのブログに珪藻土の性能基準についての説明があります。

測定試験のように、90%の湿度の日と45%の湿度の日が一日置きに来れば調湿効果は大きいでしょうが、現実的には日本の梅雨は、湿度70%以上の日が連続します。

そんな環境では、一度水分を飽和状態まで吸ってしまうと放出するのは難しいでしょう。

エアコンのドライ運転と組み合わせれば多少効果は上がるかと思いますが、それでもこの時期の珪藻土の調湿性能に、過度な期待はしない方が無難かと思われます。

「自然素材=生きている=呼吸する」というイメージから、半ば都市伝説化した非科学的な理由で自然素材を利用する例が多々見受けられます。

ex.
調湿性能がある自然素材を使えば結露しません
自然素材を使えば洗濯物が乾きやすいです・・・等

建築は工学であり科学ですから、イメージ先行でなく、もう少し科学的根拠のもと家は設計されるべきではないかなと思う今日この頃です。

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